睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、男性で肥満の人が中心にかかる、
日中眠くなるだけの病気と誤解していませんか?
睡眠時無呼吸症候群は、女性にもなる可能性があり、
心不全・脳卒中・糖尿病など万病の元にもなる大変危険な病気です。
気がつかずにそのまま放置していると、
無治療の中・重症患者は8年で37%死亡しているといいますから、
ただごとではありません!
![SASnet http://www.kaimin-life.jp/ より引用](https://i2.wp.com/entameatlus.com/wp-content/uploads/2013/08/12ph_02.gif?resize=450%2C256&ssl=1)
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは、
眠っている間に頻繁に呼吸が止まってしまう病気です。
一時的に止まった呼吸は、しばらくすると再開しますが、
呼吸が止まったり、再開したりを繰り返すため、
眠りの質が悪くなり、日中に猛烈な眠気を感じるなど
様々な問題を引き起こします。
また、寝ている最中は酸欠状態が続き、高血圧の状態になるため、
・心筋梗塞 4倍
・脳血管障害4倍
・心臓冠動脈障害 3倍
などと、合併症のリスクが格段に高くなります。
そのため冒頭で紹介したように、
無治療の中・重症患者は8年で4割近くの方が亡くなってしまいます。
睡眠時無呼吸症候群の原因は?
1番の原因は肥満です。
太ると、首やのどの周りに脂肪がつき、
普段から気道がそれにより、狭くなってしまいます。
しかも、仰向けに寝ることで、気道が更に圧迫されますので、
睡眠時にますます自然な呼吸がしにくくなります。
しかしそれだけではありません。
日本人は骨格の問題で欧米人に比べて少し彫が浅くて、
のぺっとした顔をしているため、顎が小さくなっている人が多くなっています。
顎が小さいひとは、気道が狭くなりがちですので、
女性や、やせている人でも油断はできません。
推定患者数は国内の推定患者は200万人~300万人ですが、
予備軍を含めると1千万人以上いるとの指摘もあります。
しかし、医療機関で受診しているのは十数万人にすぎません。
痛みなどがないため、病気のリスクについて油断しているので
受診のタイミングが遅れがちです。
目安となる症状は?
・睡眠時に、いびきを大音量でかく
・睡眠時に、無呼吸の状態から「カッ!」とか「クッ!」とか言って息をし始める
・息が苦しくて目が覚める
・なんども目を覚まし、トイレに行く
・日中に眠気や疲労を覚える
上記に当てはまる場合は、
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の可能性があります。
検査方法は?
自宅でできる手軽で人気の方法として、
一般財団法人運輸・交通SAS対策支援センターが行っている
簡易型検査装置によるスクリーニング検査があります。
費用は7000円程度ですので、
気になる方は、申し込まれてはいかがでしょうか。
もちろん一般の呼吸器内科・耳鼻科でも検査してもらえますよ。
治療方法は?
・マウスピース治療
・CPAP(シーパップ)治療
の主に2種類の治療があります。
マウスピース治療は、
軽度の睡眠時無呼吸症候群(SAS)と診断された方に主に用いられる治療法です。
専用のマウスピースを睡眠中に装着します。
マウスピースを装着し、下顎が出た噛み合わせとすることで、
舌がのどの奥に落ちることを防ぎます。
CPAP(シーパップ)治療は、
中度・重度の睡眠時無呼吸症候群(SAS)と診断された方に多い治療法です。
睡眠中に装着した鼻マスクを装着することで、気道に圧力を加えて空気を送り込み、
気道の無呼吸を防ぐ治療法です。
![http://www.kaimin-life.jp/ より引用](https://i2.wp.com/entameatlus.com/wp-content/uploads/2013/08/12ph_01.jpg?resize=350%2C270&ssl=1)
CPAPは、使い始めは外見から抵抗感がありますが、
ほとんどの患者さんにすぐに効果があり、
日中全く眠く無くなるなど、改善効果が期待できます。
CPAPを利用することで症状が改善し、
死亡率が大幅に低下することが分かっています。
おわりに
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は決して侮ってはならない
大変危険な病気だとお分かり頂けましたでしょうか?
少しでも兆候がありそうな方は、ぜひ一度検査される
ことをおすすめいたします。