ロレックスやオメガの時計を買って喜んではみたものの、気になるのは、定期的なオーバーホールの必要性とその時期。

3年に1度はオーバーホールが必要だとか、動かなくなるまで必要はないなど意見は様々。

更には、オーバーホールをお願いする先も、高いメーカーが良いか、一般の時計屋が良いかなど、悩みはつきません。

今回は時計のオーバーホールについて情報をとりあげてみます。

ロレックスのムーブメント Cal.3135

機械式時計のオーバーホールについて

そもそも、ロレックスやオメガなどの機械式時計はなぜ定期的なオーバーホールが必要なのでしょうか?

時計には大きく分けて、機械式時計とクォーツ時計があります。クォーツは電池が動力で動く時計ですが、機械式時計は、ゼンマイが動力となって動きます。

クオーツ時計は電池交換の時に、しっかりした時計屋さんなら、チェックもお願い出来ますが、機械式時計の場合は、オーバーホールのタイミングが悩ましい問題です。

そのまま使い続けたら時計は車と同じ機械ですので、そのうち不具合が発生するようになります。

例えば、潤滑油が乾燥して部品が摩耗するようになったり、水入りを防ぐゴムパッキンが乾燥して防水性が低下したりするんです。

そこで時計師さんが、時計の各パーツを分解・洗浄し、組立、パーツ交換、注油、調整などのオーバーホールを行うことで、時計が引き続きトラブルなく使える様になります。

何年に一度オーバーホールをするべきか?

時計のオーバーホールを何年に一度行うべきか、人により意見が分かれます。

・3年を目安に

・5年

・進んだり、遅れる様になったら

・止まるまで使ってOK

などが、だいたいの意見になるかと思います。

修理業者の場合は3年を推奨している場合が多いようです。これは、商売の都合上の理由と、定期健診をおすすめする意味もあっての3年のようです。

ただし、最近の時計の潤滑油は性能が良くなっているので、5年でOKという意見の時計師さんも多くいます。

3年と5年では結構違いますよね・・・

また、「止まるまで使って良い」というプロの方はほとんどいませんが、「時計が遅れる様になったらオーバーホールすれば良い」と言う時計屋さんも一定数います。

これは、潤滑油が劣化した時計は、機械の各パーツに負荷がかかるようにになるので、今まで平均日差+5秒で安定したのが、日差-5秒の精度になるようなケースです。

結局オーバーホールは何年に1度行えばいいの?

管理人の意見としては

5年たったらオーバーホールをする

・ただし、3年以降は精度やゼンマイの持続時間に

 変化があったらオーバーホールをする

サビには注意する

になります。

理由としては、5年オーバーホールをしないからといって時計内部のパーツの摩耗が急激に進むことはあまりなく、仮にあっても部品交換が定期的に必要なパーツだったりします。

逆に5年たってもオーバーホールしない場合は、パッキンの劣化によるサビや、交換が難しい部品に問題が生じる可能性が高くなります。その場合時計の寿命に影響がでるケースがあります。

多くの高級時計、特にロレックスは品質が良いので、5年たっても問題無く使える場合がほとんどですが、トータルにみたら5年を目安にオーバーホールをするのが1番安上がりです。

ただし、5年たってなくても、時計の精度が乱れる様になったり、ゼンマイの持続時間が短くなる場合は、機械の潤滑油が劣化していますので、オーバーホールが必要になってきます。

また、時計を長く使うには、サビに注意することがとても大切です。実は時計の寿命を一番縮めるのがサビだって知っていますか?

ロレックスのサビたムーブメントです。最早修理不可能のレベルですね・・・

ロレックスのムーブメントのサビ

サビがロレックスの寿命を縮める?

ロレックスは防水性が高いのが特徴ですが、それでも、修理不可能の原因の多くがサビです。

裏蓋や竜頭に汗の塩分や垢がたまり、時計を確実に蝕みます。また、ブレスレットにも、お手入れを適切にしないと、錆びが発生します。

サビを防ぐのに必要なお手入れ

お手入れは、使った後に柔らかい布などで、丁寧に汚れを取ってあげる程度で基本的にはOKです。特に汗をかいたら、塩分を残さない様にしっかり取ってあげるのが大切です。

時計を拭くのにはメガネ拭きなどでOKですが、プロの時計師の多くはセーム皮を使います。

ちなみに、セーム革も品質が善し悪しで、ほとんどが表面をシリコン加工している粗悪品です。

春日のセーム革は表面をシリコン加工していない、キョン革をつかった最高のセーム革なので、時計師だけではなく、プロアーティストやオーディオマニアが、楽器や機材のお手入れに使います。

このセーム革は5年ぐらい使っていますが、まだまだ使えそうです。

メガネ拭きとは段違いに、メガネも時計もピカピカになります。

 
話を戻すと、時計は汗の塩分に気をつけて、3~5年に一度適度にオーバーホールをしてあげれば、かなり長い寿命を保てます。

次回は、ロレックスやオメガの場合、オーバーホールをお願いする先は、日本ロレックスやスウォッチグループなどのメーカー正規修理が良いか?一般の時計屋が良いか?についてとりあげてみたいと思います。

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